「国立新美術館ミュシャ展 スラブ叙事詩を見た話」


六本木の国立新美術館で2017年3月8日~6月5日まで「ミュシャ展」をやっています。
アルフォンス・ミュシャ(チェコ語ではムハ)といえば商業ポスターが有名で、日本でも人気の画家かと思いますが、今回のメインは彼の晩年の作品である「スラブ叙事詩」20点です。

約3年前、六本木のミュシャ展でプラハ城のステンドグラスのレプリカを見て、本物が見たくなりその日のうちに一緒に行った友人とチェコに行くことを決めたことがあります。
そして本当にチェコに行ってミュシャ美術館やプラハの市民会館でミュシャ作品を鑑賞したわけですが、その旅先でも見ることが叶わなかった「スラブ叙事詩」が日本で見られるとあって、チェコ旅のメンバーを招集して行ってきました。
チェコ以外で20作すべてが揃って展示されるのは世界中で初めてなのだとか。

ミュシャ展巨大ポスター

美術館に飾られていたミュシャ展の実寸大ポスター

休日に行ったため、開館直前から混雑。
余談ですが、国立新美術館では草間弥生さんの展示会もやっており、周辺の木々が赤い水玉の布が着せられていて不思議な光景が見られました。

朝一番にもかかわらず展示会場の中もすでに人だかり。
スラブ叙事詩は思っていたよりもずっと大きな作品で驚きました。近いと全景が全く見えない。
どの作品も約4m×5m以上で、大きい作品は約6m×8mの大作です。
16年間で20作ということは1年1枚以上のペースで描いていたということ。1作未完成としても、すごい。

スラブ叙事詩はスラブ民族の団結や平和、芸術の重要性を描いた作品のため、戦争や争いの場面を描いたものも多くあります。華やかな商業ポスターとは趣が全く異なります。

それでもミュシャの作品だなと思いました。
色彩がすごく綺麗で、明暗がとても目を惹きます。
広い展示場の中央に立って作品をぐるりと見渡すと、絵画の中でスポットライトが当たっている箇所が必ず一か所あるのがよくわかります。

私がミュシャを好きな理由は色彩と、細部まで緻密に描かれているところなんだと思います。
描き込まれた模様とかがきれいなんですよね。

作品のうち5作品はなんとノンフラッシュで撮影OK。
でも人が多すぎて作品だけ撮るのは困難。絶対人の頭が映るので斜めから撮るしかありません。

「イヴァンチツェの兄弟団学校」

アルフォンス・ミュシャ「イヴァンチツェの兄弟団学校」

「イヴァンチツェの兄弟団学校」には若いころのミュシャ自身をモデルにした青年が描かれています。左下です。

ミュシャ作品の一部

老人と青年。青年はミュシャ自身がモデル

横に並んで写真が撮りやすいので、記念撮影スポットです。

「スラブ民族の賛歌」

アルフォンス・ミュシャ「スラブ民族の賛歌」

「スラブ民族の賛歌」は順番では最後の作品(20番目)で、最も色鮮やかな作品でもあります。
4つの時代を4つの色で表しているのだとか。青は神話時代、黒は抑圧時代、赤は戦争の時代、そして黄色が独立宣言で得た自由、平和、友愛の時代だそうです。

メインはスラブ叙事詩ですが、演劇や商業用ポスターの展示もあります。
私の好きな「椿姫」は今回はなかったです。残念。

プラハの市民会館の天井画や壁画のキャンバスに描かれたものの展示もありました。
旅の思い出話に花を咲かせながら見て回るのも楽しかったです。

物販もありますが、展示場以上に恐ろしい混雑でロクに売り物も見えない始末。
戦いに敗れ、早々にお土産は諦めました。
ガイドブックはインターネットで買えるとのことだったので、家に帰ってからポチることにしました。
夜中にポチったのに翌日の昼間に来ました(お急ぎ便じゃない)。Amazonさん仕事早すぎ。

大作20点の展示は圧巻でした。
ガイドブックの写真で見るのと本物は全然色や雰囲気が違うので、興味のある方は展示会に足を運ぶのがお勧めです。


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